ツエーゲン金沢2013年シーズン振り返り

2013年リーグ戦も終えて最終順位は7位と個のメンバースキルからするとあまり本意では無かった今シーズンとなったように感じます。また、2013/12/10の現時点で14人の選手がクラブを去る事が決まりました。清原選手を筆頭にまた来シーズンもチームに残っている選手も出てきましたが、2014年シーズンがどのような年になるかに頭がシフトする前にしっかりと今シーズンどのようなプレイスタイルで、その結果どのように試合が展開したのか、振り返ってみたいと思います。

昨シーズン成功しなかった4バックから3バックへのシフト

2012年シーズンは4バックから3バックにシフトしようとしましたが、スピード感のあるプレイが出来ず、また後半ラインが下がり気味になって、5-4-1のような陣形になっていて同点やリードされている状態においても相手のバックエンドでパスを回されると全く攻めに転じる雰囲気を感じられない状態でした。2012年の最終戦になってようやくアグレッシブに前線でプレスをかけたり両サイドにスピードのある選手を配置して突破を試みるなど、攻撃的な面を見せ、2013年でも良い点を引き継げることを期待させる終わり方でした。ただ、この時点でも現状の3バックシステムでは来年も同じ結果になるのではないかとこのまま3バックで良いのか懐疑的でした。

「準備期間」と称したシーズン前半

ホーム開幕戦は加賀市陸上競技場から始まったシーズン前半。ホーム開幕戦を見た印象では越智キャプテンをはじめ、足元の巧い選手が多く、個々のスキルは高いなぁという印象を受け、3-2と逆転勝利をおさめ、幸先のいいスタートを切ったなーと思ったのもつかの間、その後の5戦勝ち無しとサポーターと監督との一悶着もあるくらいにクラブの雰囲気は良くない状況でした。1シーズンまるまる終えて振り返ってみれば、序盤と終盤は上位クラブとの対戦で、いずれもほとんど勝ちきれなかった点では純粋にクラブとしての実力、拮抗した状況を打破したり、不利な状況をフォロー出来る戦略を打ち出す事が出来なかったという純粋な差があり、最終順位は妥当だったといわざるをえません。

西部緑地公園陸上競技場でのホーム戦

プレースタイルの点では、サイドバックとボランチを起点にショートパスを多用して攻めを組み立て、相手にボールを奪わせないようにする現状のプレイスタイルは出来ていたと思いますが、3バックの選手がサイドに抜けようとする選手をマークしに行った際の最終ラインのスペースのフォローや、攻撃ビルドアップ時に前線に押し上げて行った際のポジションチェンジがうまく選手間で連携出来ず、戸惑いを感じているような雰囲気も感じました。
また、シーズン前半は90分走れ切れない選手が多かったようです。明らかにリーグ戦開始前の準備不足を感じました。試合でしかえられないものは沢山ありますが、来シーズンは早めにメンバーを確定して基礎体力、システムの確認を十分に行って開幕戦に望んで欲しいと思います。

13戦負け無しとクラブ記録を更新したシーズン折り返し

中盤はクラブ記録タイの6連勝に加え、13戦負け無しの記録も達成しシーズン中で3位の好順位につけ、一時期はJ2昇格も…と期待をみせる勢いがありました。

横浜FC、清水エスパルス。Jリーグと対峙した天皇杯

石川県サッカー選手権決勝戦後の集合写真

シーズン折り返しの夏の時期には天皇杯がありました。石川県サッカー選手権大会決勝戦の北陸大戦、天皇杯1回戦の富山新庄クラブ戦と順当に勝ち上がり、今年は2回戦は形はセカンドユニフォームでアウェイ扱いでしたが地元金沢市での開催となった横浜FC戦も勝ち上がりクラブ初のJクラブ戦での勝利、3回戦は清水エスパルス戦まで対戦することができました。

天皇杯3回戦対清水戦 IAIスタジアム

エスパルス戦も、パスワークはJ1チーム相手でも機能し、ポゼッションを十分にキーブ出来る状態で、前半先制点を上げて1-0のリードするシーンも作れたり、後半ロスタイムに7清原の華麗なヒールからの26佐藤の流し込みゴールで2-2と追いつくまで競り合うシーンまで作れましたが、そのあとに単純に裏に抜ける選手について行けず再び失点と惜しい敗戦でしたが善戦できたものとなりました。攻めの組み立て、チームの方向性は何の問題も無いことが確認出来たと思います。

クラブの弱点を露呈したシーズン後半

シーズン後半は長野・相模原・町田・讃岐の上位チームには結局1勝もできず7位でシーズン終了となりました。順位的には年間通して振り返れば妥当なポジションであると認めて、チームの改善を真剣に考えていかなければならないでしょう。

パルセイロ戦の入場時

第26節(9/22)ホーム長野戦1-2、第27節(9/29)アウェイ讃岐戦2-3と、いずれもアディショナルタイムの時間帯に決勝点を相手に献上してしまっています。戦略的な問題ではなく、体力が切れて来た時の、安易なクリア、中途半端な中盤のパスワークからボールを失って失点してしまう。試合中の集中力を苦しい時間帯に我慢する事が出来ないといった点が、上位陣との差として明確に出た形となってしまったように思います。

来シーズンに向けて維持/改善したいこと

2014年シーズンは2013年のパスサッカーを変える必要は無いので、その点を維持した上で守備をどう強化するか、攻撃的なビルドアップを行う為に、ボランチがDFのサポートと前線への有効なビルドアップをうまく切り替えて切り替えることができるか、その部分の強化が出来ればJ2昇格も見えてくるのではないかと。来年の活躍も大いに期待して応援したいと思います。

来年こそは昇格だ!